タイトル:つまずいたら、いつもの逆をやってみよう
著者:金藤晃一

 


高校1年生で不登校、家庭内暴力、引きこもりを経験された著者の金藤晃一さん。

TCS(トータル・カウンセリング・スクール)主宰の田中信夫さんとの出会いにより再起。
2年遅れの復学後に大学へ進学され、現在はTCSでの教師、学校・医療関係・企業研修での講演など、心理カウンセラーとして多岐に渡り活躍されています。

 

「つまずいたら、いつもの逆をやってみよう」という著書のタイトルにもある通り、金藤さんが得意とされている「逆説的アプローチ」というカウンセリングの手法が、ご自身の経験とクライエント(※)との関わりを通してわかりやすく書かれています。

※クライエント(client)とは、英語で依頼人のこと。 とくにカウンセリングなど心理療法を受ける人、および社会福祉における相談者のことをいう。
Wikipediaより引用

 

悩んでいる人はあることに集中して
ほかに目がいかない状態です

そこに思いがけない角度から
揺さぶりをかけると
固かったこころがやわらかい豆腐のようになります

心がやわらかくなると
いままで見えなかったものが見えるようになり
問題の対処の仕方が見えてきます

ふだんから逆に見たり、逆さまに見るようにすると
きっと生きるのがラクになります

「つまずいたら、いつもの逆をやってみよう」冒頭より引用

ご自身の不登校、家庭内暴力、引きこもりの経験を経て、悩みを持つ方約3,000人の相談に乗ってこられた金藤さん。(2014年初版の著書なので、今では更に多いと思います。)

そんな金藤さんだからこそ、クライエントの心の奥深くに向き合い、共感し、逆説的アプローチによって多くの方の心をやわらかくされているのだと思います。

わたし自身、著書から多く励まされたのですが、特に実生活に影響する学びがありました。

それは「あなたが嫌いな人はとてもあなたに似た人」の内容です。

以前より他の著書などでも、嫌いな人や苦手な人は、深層心理として実は自分自身にそっくりな人だという考えを読んできました。

 

~中略~
心理学では、自分が無意識に隠している本当の自分が、相手の嫌な言動に反映しているのだと考えます。
これを「投影」といいます。
カール・ユングは、「人へのいらだちは自分を知る最良の手段」といっています。

「つまずいたら、いつもの逆をやってみよう」P192より引用


わたしが今仕事で関わる方の中で、「どうしてそのような言動をするのだろう?」という気持ちになる方がいます。

その方の言動に対して気分が悪くなると、「わたし自身そのような言動をしているのだろうか」と疑問に思ったり、時には「気になるのは、わたしが暇だからなのだろうか」と悩んだり…

相手の良いところを探そうと試みても気分は晴れず、無駄な時間を過ごすこともありました。

そんな中、わたしを救ってくれるような言葉に出会えました。

 

ところで、私は投影理論の変化球を考えています。
嫌いな人に映っているのは、自分の嫌いな部分だけだろうかと考えるのです。
そして、嫌いな人の長所を思い浮かべてみるのです。
驚くことに、その人の長所は自分が人からいわれる長所と同じだったり、似通っていたりします。

「つまずいたら、いつもの逆をやってみよう」P195より引用

 

この「その人の長所は自分が人からいわれる長所と同じだったり、似通っていたりします。」という部分が目から鱗でした。

苦手な方の長所は自分の長所と考えることで、その方への見方が180度変わったのです。

先日、ある方がわたしが苦手なその方を褒めていました。

「自分の仕事をきっちりやるし、人当たりが良くて物腰がいい。」
「頼んだことに対して何一つ嫌な顔をしたことがない。」

それを、わたしにもそのような長所があると考えると、親近感さえ覚えます。

一気に心が軽くなりました。

まさに、「逆説的アプローチ」によって物事の視点を変えることによって捉え方が変わり、結果として苦手な方を受け入れることができました。

この、納得と同時に心が一気に軽くなるような感覚に感動しました。

この実体験からも、金藤さんが著書によっても多くの方の心をやわらかくしてくださることに、本当に素晴らしいと思いました。

今回、上記わたし自身の経験も含め、物事の見方を変えることによって生きやすくなることを学びました。

そして、著書内に散りばめられた多くの「逆説的アプローチ」による言葉に、前向きな気持ちになることができました。

クライエントのことを「こころに宿題を抱えている人」と表現されているところも、とても素敵で思わずメモをとりました。

「こころに問題を抱えている人」ではないのです。

NLP(神経言語プログラミング)の「リフレーミング」という言葉は多くの著書で見られますが、「逆説的アプローチ」によって出来事の枠組み(フレーム)を変えることの爽快さを学んだ気がします。

今回わたしが味わった「目から鱗」が「爽快」な気持ちで溢れるものだったからです。

「こころに宿題を抱えている人」が、爽快な気持ちで前を向いて自分の力で歩くことをサポートされている金藤さんに尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

まずはわたしにできることから。

この記事を読んでくださった方が一人でもいらして、著書を読むきっかけになれば幸いです。

友達や家族に本を貸すこともできます。

50の心理ルールとして、各段落の終わりにその内容のまとめの一言が太字で書かれているので、ページ全体をパラパラめくると、主に見開き左下に書かれているその凝縮された格言を見て励まされる、という読み方もできます。

これからも、心が固くなったときに、豆腐のようにやわらかい心にするために、感謝の気持ちと共に著書を読みたいと思います。