タイトル:チーズはどこへ消えた?|Who Moved My Cheese?
著者:スペンサー・ジョンソン
訳者:門田美鈴

 

有名で、表紙は見たことがあったこの本。

初版が1998年というから驚きです。

20年以上も愛され続けている名書をやっと読むことに対して、後悔が混じったような何とも言えない気持ちでしたが、読むきっかけをいただいたことに感謝して読みました。

そして、長く人々に読まれ続けている理由は何だろうと、タイトルからは想像できない本の内容にわくわくしました。

100ページ未満なので1時間位で読み終えてしまいましたが、一冊にぎゅっと凝縮された数々の教え。

それはまさに哲学のようです。

可愛らしい本の表紙もそうですが、ネズミや小人が登場するメルヘンな童話や絵本のような世界。

その2匹のネズミ(スニッフ、スカリー)と2人の小人(ヘム、ホー)の異なる性格、思考、行動=わたしたち人間の異なる性格、思考、行動と結び付きます。

そして読み手は、今の自分はこの登場人物の中ではどれだろうと考えながら読むことによって、より物語を身近に感じ、自分と向き合うことができます。

それは、著書の後半での元クラスメートの話し合いの中にも書かれています。

物語を読んでいるのは自分なのに、その自分の見解や感想を元クラスメートの話し合いの場を通して客観的に知ることができたことは、面白い感覚でした。

普段本を読むときは、その本から得た学びや感想のほとんどは自分の中にあります。

しかしこの著書は、物語とは別にその物語について討論する場面があることによって、まるでその場にわたしも一緒に参加しているような気分になるのです。

「そうそう、わたしもそう思った!」と思ったり、「なるほど、そのような見方もあるんだ。」と思ったり…

元クラスメートの一員になったような感覚になることも、この著書の魅力だと思いました。

 

さて、今のわたしは登場人物の中ではどれに当てはまるか。

 

①チーズがだんだん少なくなっていることに気付いていたため、実際にチーズが消えたときにそれを想定内として次の行動を起こしたネズミのスニッフ

②チーズが消えたときにあれこれ考えるより、素早く次の行動に移したネズミのスカリー

③チーズが消えたことを受け止めることができずにその場に留まり、次に進もうとしなかった小人のヘム

④始めはチーズが消えたことに戸惑いながらも、次の行動を起こすために少しずつ進んでいった小人のホー

 

今のわたしは…

①のスニッフを心掛け、そうありたいと思っている②のスカリーかもしれません。

今思うと、昔の自分は③のヘムや④のホーが混ざっていました。

今まで起こった様々なことに対して認められずに、どうしたらいいのかもわからず、いつか時間が解決してくれるだろうとその場に留まったこともありました。

そこには恐怖があり、変化に対応できない自分だったからです。

毎日暗く元気のないそんな状態ではだめだと思い、徐々に変化を受け入れて、前を向いて進みました。

今こうして文章にしながらも、ヘムやホーのようだと実感します。


そして今は、スニッフのように未来を予見して今の行動をすることをモットーにしながら、スカリーのようにあれこれ考えずに行動をしています。

冒頭にこのような文章がありました。

 

~中略~
この二匹と二人は、私たちの中にある単純さと複雑さを象徴している。

 

まさにわたしにとっては、昔の自分=複雑、今の自分=単純であると思いました。

そして今なら、あれこれ複雑に考えて悩んでいた昔の自分に「もっとシンプル思考で!」とアドバイスをすることができます。

この物語と共にそのアドバイスができれば、もっと早い段階で前に進むことができたはずです。


これから先も、色んなことがあると思います。

スニッフのように、普段から未来を視野に入れ、非常事態の際にも想定内として柔軟な思考で対処できる自分でいことが大切だと改めて思いました。

そしてスカリーのように、シンプル思考で悩まず即行動することをこれからも続けていきたいです。

現実を受け入れられないような状況になったときに、その二つの思考があれば、前に進むことができるはずです。

「チーズはどこへ消えた?」から学んだ、シンプルで凝縮された教え。

これからの人生でふと立ち止まる瞬間があったとき、一度自分の思考をリセットしたいとき…

人生の教科書として、これからもずっと寄り添ってくれるような名書に出会えました。