タイトル:嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教え~
著者:岸見一郎 古賀史健

 

 

サブタイトルにもある「アドラー」の教え

アルフレッド・アドラーは、個人心理学(アドラー心理学)を創始した世界的な心理学者です。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そのアドラー心理学について、「哲人」と「青年」の対話形式で進められている本書。

人のすべての悩みは対人関係である」と潔く言い切り、その悩みを解決するために「嫌われる勇気」が何より必要であることを、2人の異なる角度の対話から学ぶことができます。

難しい哲学書とは異なり、青年を自分に置き換えて物語の中にいるような感覚になりながら読み進めることができるので、とてもわかりやすく心に入ってきました。

その「嫌われる勇気」について考えてみると、私自身は「嫌われる勇気」があると思いました。

偉そうな言い方かもしれませんが、周りの目を気にすることがほとんどないからです。

誰に何と思われてもいい、嫌われても構わない、自分は自分、他人は他人というスタンスなので、そのように思うのかもしれません。

ある意味我儘なのかもしれません。

以前は、相手がどのように思うかなどを気にして、友達のお誘いを断れなったこともありました。

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当時の自分がこの「嫌われる勇気」を読んでいたら、どれだけ悩まずに楽に生きられたことでしょうか。

本書の「青年」が、もっと早くアドラー心理学を知りたかったと「哲人」に話したことと同じ感覚です。

「嫌われる勇気は今のわたしにはある」という何とも生意気というか上から目線のことを思ってしまいましたが、本書から得たことは数多くありました。

その中の一つが「課題の分離」です。

 

~中略~
そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

嫌われる勇気 P.150より引用


何か悩みや問題に直面したときに

①これは誰の課題なのか?を考える。

➁どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか?を冷静に線引きする。

③他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。

この、自分の課題か他者の課題かを線引きすることが、シンプルなのにとても画期的で、自分の中にある未知のわだかまりが溶けたような気がしました。

周りからどう思われてもいいという考えではあるものの、普段の生活で関わる相手の言動に疑問を持ったり、不愉快な気持ちになることがあります。

それは結局は、相手が自分の思い通りにならないことに抵抗しているからだと思います。

無意識に相手をコントロールしようとしている自分がいるのです。

そんなとき、この課題の分離をして、相手を変えようとせず自分が変わろうとする

そうすることによって今後のわたしはとても自由に、問題を問題と思うことなく過ごせると思いました。

今すぐに実践できます。

そして、この「課題の分離」から、他人を仲間とみなす「共同体感覚」に切り替えること。

その共同体感覚を得るために必要な「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」

このアドラー心理学を考えたとき、根底にあるものは他者への愛であると感じました。

愛の定義は広いですが、思いやりの気持ちとも言える他者(仲間)への愛によって、結局は自分が満たされ仲間を満たすという幸せな循環が生まれると思います。

 

物語の最後の言葉が心に沁み渡ります。

 

世界はシンプルであり、人生もまた同じである、と。

嫌われる勇気 P.283より引用


物事を複雑に考え、その複雑さを更に掻き乱しているのは自分自身。

今から「課題の分離」を実践し、「共同体感覚」を持って、もっとシンプルに生きようと心に誓いました。

最後に、本書の著者である岸見一郎さんと古賀史健さんによるあとがきに感動しました。

岸見先生著の「アドラー心理学入門」と古賀さんとの運命的な出会い。

ソクラテスが語るギリシア哲学を後世に残したプラントンのように、「ぼくは岸見先生のプラトンになります。」と岸見先生に伝えた古賀さん。

そして実現した本書「嫌われる勇気」の出版。

時代と国を超えて受け継がれている師弟関係に感動しました。

その恩恵を受けて良書に出逢えたことに感謝しています。